以前、キューバ人のゲストさんが帰国する時、最後にお土産を渡そうと思い、何が欲しいか聞いてみました。
彼はお世話になった思い出だけで十分とのことで、何も受け取ろうとしませんでしたが、私はどうしても最後に何かプレゼントしたかったので、引き下がらず何でも良いから言ってね、と再度聞いてみたところ、捨てようとしていた古いPCを指して「では、このPCを下さい」と言いました。
そのPCは、充電が出来ずOSもかなり古い物。
それでも、彼はこれをいただけるならとてもありがたいと言うので、綺麗に拭いて、箱に詰めてお土産として持たせました。
そして帰国日。「いただいたPCのお礼です」と、折り紙で作った可愛らしい『手まり』をプレゼントしてくれました。
「こんな物しかお返しできず、ごめんなさい」と恐縮している彼を見て、自分がとても恥ずかしくなりました。
キューバでは、PC等の高価な物を手に入れるのはとても難しいそうです。
日本で生活している私たちは、必要な物は大体手に入れることができるので、普段の生活で物のありがたみを感じる事はほとんどありません。
そして、それが当たり前になっているので、必要な物が手に入らない感覚も理解しがたいと思います。
彼と一緒に過ごした時間はとても貴重で本当に楽しく、私自身色々勉強になることも多かったです。
キューバは様々な事情で欲しいものが手に入りにくかったりと不便なことも多いと聞いていますが、だからこそ物を大切にできる優しくて温かい心が育まれるのかな?と思いました。
その時にいただいた『手まり』は、今では私の宝物です。
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